公益社団法人 田川青年会議所
第63代理事長 藤川 徹

火を灯せ

~常に前を向き、光り輝け~

はじめに

 

 はじめに、公益社団法人田川青年会議所を代表し、田川地域の8市町村ならびに関係各位の皆さまに、日頃から多大なるご支援とご協力を賜っていることに深く感謝申し上げます。 

私は、公益社団法人田川青年会議所第63代理事長の職を預かることとなりました藤川徹と申します。2025年度、田川青年会議所が掲げるスローガンは「火を灯せ」、基本方針を「常に前を向き、光り輝け」と定め、1年間活動させていただきます。 

「火を灯せ」とは、困難や逆境に直面しても、自らを鼓舞し、歩みを止めず前進し続けることを意味します。その決意と行動は周囲に影響を与え、その姿勢が、周囲を惹きつけ、伝播し、やがて大きな火となり田川全体を煌々と明るく照らしてくれると確信しています。 

田川青年会議所は1962年33名のメンバーで創設され、これまで62年もの間、400名を超える田川を想い愛する先輩方により紡いでこられました。活動理念である「明るい豊かな田川地域の創造」に対し真摯に取り組み、いかなる困難や苦難があろうとも歩みを止めず、前進をし続けそのバトンを渡してくれました。今の私たちが、田川地域の振興発展に対し、様々な手法を駆使し体現ができ、目的に向かい走り続けることができるのは、先輩方の努力の礎があり、当たり前のことではないと改めて深く感謝をしなければなりません。

私は田川郡添田町で生まれ育ち、中学卒業と同時に15歳で田川を離れました。30歳のときに田川に戻り、再び地域の一員として歩みを進めることとなりました。 

その年は2017年、九州北部豪雨の年でした。私の地元である添田町は、河川の氾濫、浸水、土砂崩れによる家屋の倒壊など被害が相次ぎ、避難所には多くの被災者で溢れておりました。私は地元消防団に所属し、地元住民として土嚢の積み込みや土砂の搬出など担当していましたが、重機が入っていかない箇所も多く、人手不足ということもあり「この悲惨な状況はいつになったら終わるのだろうか?」という先の見えない重苦しい雰囲気が住民全体に漂っておりました。 

そのような状況の中、いち早く田川青年会議所JC・商工会青年部インパルス・商工会議所青年部YEGはじめ多くの青年団体やボランティアの皆様が駆けつけてくれて、炎天下の中で土砂の掻き出しや清掃作業・飲料食糧の提供など時間の許す限り、汗だくになりながら作業を進めてくれました。 

来てくださった多く皆さんに対し感謝の思いとともに、心強く尊く勇ましく感じたのを覚えております。この時、ボランティアに参加してくださったみなさまの多くが田川地域あるいは田川出身の皆さまであるということを知りました。私がこれまで見てきた都市部にはない、この田川地域特有の帰属意識、田川を愛する思いはなにものにも代え難い、将来に繋いでいかねばならない大切な「文化」であります。 

私は地元田川を愛しております。 

これからもずっと田川のおいちゃんおばちゃんは元気良くしゃあしぃ(口うるさい)、子どもたちは笑顔でとんぴん(生意気)で居続けてほしい。心からそう願っております。 

そのためには未来永劫・恒久的な平和と安全を、次を生きる子どもたちのために確保できるよう努める必要があります。先の代でその役割を担い、全うされて来られた先人のお陰で、今こうして私たちは田川地域で仕事ができ生活ができ、笑顔とともに日々苦楽を感じ生きていけるのです。このことは非常にありがたくも、私たちがその恩恵を享受しているということは、次は私たちがその役割を担い与える番です。 

私と同じように、田川が好きで住み続けたい!と子ども達に思ってもらえる、そんな田川にしなければなりません。私たちは入会当初から、こう宣言し続けております。 

「日本の青年会議所は希望をもたらす変革の起点として、輝く個性が調和する未来を描き、社会の課題を解決することで持続可能な地域をつくることを誓う。」 

多様性と持続性を兼ね備えた明るい豊かな田川地域の創造、これが至上命題となります。 

そして私たち、田川青年会議所は、2022年に創立60周年を迎えた際、次の70周年80周年へ向かうための時代に即した新たなビジョンとして「青年らしく太陽のように田川を照らす」と設定し皆様に発表いたしました。 

メンバー31名一人ひとりが、このビジョンを心に掲げ、火を灯し、行動し続けることで「田川青年会議所」はこの地域に必要とされる団体へと邁進して参ります。

 

地域連携委員会 

 

 私たちは、8市町村からなる田川地域全体を活動エリアとしております。すべての1市6町1村に対し、包括的に且つ積極的にアプローチを行い、各自治体と連携し事業を推進していく必要があります。 

これまでに私たちが展開してきた事業の一つに、「首長選挙における公開討論会事業」がございます。一昨年4月には、田川3自治体において、ユーチューブライブ配信による公開討論会を実施いたしました。投票権を持つ一人ひとりが、自身の自治体への参画意識を持ち、地縁血縁による投票ではなく、政策本位による投票を行っていただけるよう公益団体として努めております。本年度におきましても当事業を実施予定であり、住民の皆様へ如何にすれば候補者の政策がしっかりと行き届くのか、協議に協議を重ね、より練り上げた手法で広く展開をしていく所存です。 

未来に繋ぐ防災委員会 

 

 また、冒頭申し上げました九州北部豪雨のように災害の激甚化も然り、近年、挙げられる数々の社会問題は、無情にも時間的猶予もなく即座に私たちの生活環境を脅かします。現代社会が直面する課題そのどれもが、いつどこにいても身近なものとして存在を感じ、私たちはすぐにでも変化と対応を求められている状況です。 

昨今、私たちの生活様式を一変させたコロナによる感染症パンデミックが、ようやく終息を見せたかと思えば、次から次へと湧いて出る混沌とした事象は、その出番を待ち、影を潜めています。最たるものとして、10年以内に起こる可能性が高い南海トラフ大地震は、東日本大震災の最低4倍の災害規模であると予測されております。 

この必ず来ると予測された懸案事項に対して、今私たちにできることは【生きるための準備をする】ということです。災害級の事象が発生した際に、生き延びるために何をしなければならないのかを考える必要があります。電気・水道・ガス・通信・交通、我々の生活を支える全てのインフラが行き届かないような状況となったときに、生き延びるための知識、備えを少しでも身に着けておくことが大事です。一人ひとりが「共助」の前に、まず「自助」についての意識を醸成し、生き延びることが最も重要であると考えます。 

本年度の1つの事業において、そういった災害時における啓発活動が必要であると考え、ともに田川の未来を作らんとする他団体と連携をし、垣根を超えた啓発事業を推し進めてまいります。「備えあれば憂いなし」まさにこの言葉を体現し浸透すべく、明日へ繋ぐ公益事業を広く田川住民の皆様に推進広報ができるよう努めます。 

地域JC発信委員会 

 田川の未来を繋いでいく同志とともに、今私がお伝えした展望を実現させ、運動を広く発信していくためには、議案に対し協議する時間、準備・実行・見直す時間が必要であります。尚且つ、成功した喜びを分かち合い次に繋げるための時間が必要です。 

今私たちが「持ち得る・創り出せる」出来る限りをこの時間にぶつけることは、将来、子どもたちが田川に住み続けたいと思ってもらうための投資であると考えます。40歳までの青年会議所であり、一年で役職が全て入れ替えとなる本当に短い時間の中で、〝JCだからできること“を、時間を惜しみながら全力を注いで参りたいと思います。 

結び

 

 結びとなりますが、私たちの追い求める理念「我々JCは、社会的・国家的・国際的な責任を自覚し、志を同じくするもの相集い力を合わせ、青年としての英知と勇気と情熱をもって明るい豊かな社会を築き上げよう」この言葉の意味は重く、簡単なものではないと理解しております。それでも、この活動理念をしっかりと胸に刻み、これからも私たち田川青年会議所はこの田川地域に根差した運動を展開できるよう日々努力をして参ります。そして、青年らしくこの田川地域を明るく照らす太陽となれるよう「火を灯し」続けることを改めてここにお誓い申し上げます。ともに明るい未来を築いていきましょう。 

2025年度も我々、公益社団法人田川青年会議所をどうぞよろしくお願い申し上げます。